民法条文研究1:心裡留保 虚偽表示

第1回 心裡留保と虚偽表示

心裡留保(93条)

原則:有効(冗談をとことん信じた相手方の利益を守る)
例外:相手方が冗談と知っていたり、知ることができた(=知らないことに過失がある)ときは無効善意(冗談と知らなかった)の第三者に無効の効果を主張できませんね。

虚偽表示(94条)

原則:無効(お互い虚偽とわかってした意思表示ですから。)
例外:善意(虚偽表示と知らなかった)の第三者に無効の効果を主張できませんね。

以下のケースで理由をそれとなく考えてみましょう。

土地の仮装譲渡があった場合の建物賃借人は94条2項にいう善意の第三者にあたらないとされています。
建物賃借人は「土地に関して」新たな権利を取得したわけではないからとされていますが、ちょっと納得できませんね。

ただ、「法律論」からすればありうる判断です。

虚偽表示の最後に「4人目以降」を考えておきましょう。

これは、「3人目以降を第三者に含めて、だれか1人でも善意の者がいたら、最後の人間の権利を重くみて保護しよう」という判断です。
「そもそもでっち上げをした本人が悪い」から3人目以降は最大限保護されるんですね。

次回は「錯誤」です。

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