民法条文研究4:代理(その2:102条)

今日も代理です。(その2)

3:代理人の行為能力(102条)

①102条1項

 

任意代理の場合、本人は信頼できる
代理人を選びたいですよね。

ただ、本人の責任や好みで選んだ以上、
代理人がしくじってもその責任は
本人がとるべきことは当然です。

まして、本人が好んで制限行為能力者
を代理人に選んだのであれば、その制
限行為能力者である代理人がヘマをし
ても、その不利益は本人が負うべきで
相手方には関係のないことです。

そこで、民法102条1項は、

「制限行為能力者が代理人としてした行為」

は「取り消すことができない。」

と規定しています。

【理由】
1)そういう代理人を選んだ本人がリスクも負うべき
2)代理人は自ら責任を負う立場ではない

ただ、委任による代理は、
1)代理人に選任されたあとに、
2)代理人に破産手続きの開始の決定を受けたり、
  代理人が後見開始の審判があった場合

には代理権は消滅します(653条2号および3号)。

(委任の終了事由)

第653条 委任は、次に掲げる事由によって終了する。
一 委任者又は受任者の死亡
二 委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
三 受任者が後見開始の審判を受けたこと。

②102条但書

しかしながら、法定代理では一部例外があります。

「制限行為能力者が」
「他の制限行為能力者の」
「法定代理人」

としてした行為は
制限行為能力者の本人が取り消せます。

法定代理というのは例えば未成年者の親
に当たる方です。

未成年者の親がたまたま後見開始の審判
を得てしまうと未成年者としては親が
ヘマをしても責任を負わされてしまいます。

未成年者にとって親は選べません。
この点任意代理とは異なる規定を置いているわけです。

まだまだ代理は続きます。

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